夏蔦の紅葉
秋に高い木々を見上げていると、不自然な紅葉を目にすることがあります。
よく見ると葉の形も違う、この赤い葉の名はナツヅタです。
ブドウ科のつる植物で、古い洋館に覆いしげっているイメージもあるあの植物です。
じつは、蔦(つた)と言っても大きく分けて、常緑樹の冬蔦と落葉樹の夏蔦とがあります。
ちょうど目白台運動公園のムクノキの幹に、冬蔦と夏蔦が並んでいました。
左側の冬蔦はキヅタとも呼ばれ、わんわん広場にあるセイヨウキヅタと同じくアイビー(ivy)という英名でも知られるウコギ科のつる植物。
茎のすぐ横から「非」の文字のように「気根」と呼ばれる細い根を伸ばして這い上がります。
一方の夏蔦はブドウ科のつる植物ですが、巻きひげも持たず、カエルの指のような「吸盤根」が壁面に付いて這い上がります。
ひと言につる植物と言っても、異なる戦略。
見上げてみると、寒くなった今だから見つけやすい違いが見つかります。
東門の入り口でも美しく紅葉していました。