フィールドサイン
目白台運動公園の駐車場には、大きなアカマツの木が生えています。
駐車場のゲートバーが上がるたびに木を揺らし、秋にはたくさんの松ぼっくりが落ちていました。
松ぼっくりを集めてみると、まわりが繊維状になっているものがいくつか見つかりました。
松ぼっくりらしくないこの姿になった理由には、鳥が関係しています。
カラスなどの嘴(くちばし)のしっかりした鳥がついばみ狙うのは、松かさの奥にあるタネ。
つまり、松の実です。
雨の日はぎゅっと閉じている松ぼっくりですが、乾燥した日には、薄紙のような付属物をもつ松の実を遠くに飛ばすため、松かさを開きます。
リスや野ネズミならば硬い歯で松かさを噛みちぎってしまいますが、カラスなどの鳥はそこまで器用にはできません。
それでもどうにか栄養のある松の実を食べようとした痕が、繊維状の松ぼっくりです。
食痕(しょっこん)は、フィールドサインの一つで、その環境にいる生きものを知るきっかけになります。