とう立ち
一気に気温が上がり、日向では蕾をつけたフキノトウがぐぐっと上に伸びてきました。
こうなってくると茎も固くなり、食べごろとは言えないようです。
この状態を「とうが立つ」と言いますが、フキノトウのとう立ちとは、なんとも不思議な言葉です。
そもそも種名で言えば「フキ」というキク科の植物が蕾をつけたものがフキノトウ。
出世魚のように成長によって名前が変わるわけでもなく、山菜としての名前の方が有名なフキは珍しい植物かもしれません。
もう一つのとう立ちした植物です。
こちらは、花よりも葉っぱだけの状態がよく知られる葉ボタンです。
色づく葉の重なりを牡丹の花に見立てた名前ですが、黄色い花の蕾が見えてくると、30cmを超える高さになります。
キャベツやケールの仲間のアブラナ科の植物で、彩りの少ない冬の植物として江戸時代から品種改良が続けられています。
そもそも何故とう立ちの頃に茎が固くなるのかと言えば、より高い場所で花を目立たせ、多くの昆虫からの受粉を待つためです。
言いかえれば、とう立ちは植物が花を咲かせる準備ができた繁殖形態といえるかもしれません。